■ 家 by富良野のオダジー 2010年08月03日(火)

  30,829 byteちょうど一週間、ワイワイ日記を更新できなかった。
実は、父か亡くなった。
色々な思いがあるが、まだ整理がつかない。(もしかしたら、一生、整理がつかないのかもしれない)
とにかく、現実的なことをひとつひとつ終わらすことが先決で、感慨にふける時間もない。
今は、ただただ、父の冥福を祈るだけだ。
題名の「家」だが、改めて思ったというより、初めて気がついたことがあった。
それは家の持っている役割(意義?)のことである。
私はなんとなく、ただ単に、家は家族が生きていくために必要なもののひとつだと思っていた。その通りなのだが、家にはもうひとつの役割があった。
それは、死んだときのための家としての役割。
父の家は、私の自宅のすぐ目の前ということもあって、ことあるごとに、寄っていた。
そこに家があるのは、空気と一緒で、何も考えたことがなかった。
いざ、父が亡くなって、自宅に帰ってくると、今までの日常とはまったく違う家の機能が求められる。
棺や祭壇を置く場所はもちろん、家族をはじめ親族の人たちが集まり、食事をしたりする場所。いつも生活している空間では納まらない。
父はそういうことを想定していたのか分からないが、何年か前に、茶の間を増築していた。
そのお陰で、無事、父の自宅から家族みんなで送り出すことが出来た。
ある日父が「家を新築したいなぁ」と言ったことがあった。それほど昔ではない。その時は、家族全員で、「父さん、もう何十年も生きるわけじゃないのだから、住み慣れた家でいいじゃない」と、からかうように答えたのを憶えている。
でも、今、思い返すと、もしかしたら父は、亡くなったときのことを考えていたのかもしれない。
父が残してくれたものは、山ほどある。
こうやって、ひとつずつ、何かのハズミに思い出させてくれるのだろう。
 


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