■ アート・ペッパー「ザ・トリップ」 by富良野のオダジー 2008年06月24日(火)

  34,817 byteアルトサックスのアート・ペッパーを久し振りにじっくり聞いた。
「ザ・トリップ」である。先に書いた廉価版の一枚。
私はアート・ペッパーが大好きで、レコード、CD合わせて16枚持っている。その中での一枚! となれば、迷わず、「アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション」
このアルバムはワイワイ日記でも紹介しているが、すべてのジャズアルバムのベストなんとかには、必ず入る名盤中の名盤。私は今まで、ジャズを聞こうとする人の、少なくても5人以上の人に勧めている。
アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクションは1957年の録音だが、アート・ペッパーの絶頂期は1952・3年録音の初リーダー・セッションを含む「サーフ・ライド」から、1960年までの10年弱。
その間も麻薬中毒によりしばしば音楽活動が中断され、1960年代後半には薬物中毒者のためのリハビリテーション施設シナノンですごした。
当時のジャズメン全般についても言えると思うが、麻薬や酒という身体を蝕むもの、つまり命と引き換えに、私達にアートを残してくれた。
ジャズに限らず、命と人生を賭けて作品を創りあげてくれたアーティストに感謝する。人類にアートがなかったら、生きる喜び、いや、生きる指針さえ失ってしまうだろう。アートがすべてだ! (ふむ、ふむ。頭の回路が変なところに入った?)
アート・ペッパーである。
1974年に薬物中毒から復活し、再起第1作目が1975年録音の「リヴィング・リジェンド」
このレコードもワイワイ日記で紹介した。「絶頂期に比べると・・・」になるが、私はけっこう気に入っている。
「ザ・トリップ」は1976年録音。「絶頂期に比べると・・・」の気持ちはあったが、聞き続けるうちに、このペッパーもアリだと思えてきた。
もし、昔のペッパーのレコードがなくて、このCDで初めてペッパーを聞いたとしたら、何の違和感もなく、「ああ、このアルト、いいねぇ」なんて言ったと思う。
実を言うと、このCDに「おもいでの夏」が入ってるから、買ったのだ。この曲が入っていなかったら、スルーしていたと思う。やっぱり、曲って大切だよね。
 


- Web Diary UpVersion ver 1.30 -