■ 「奇跡のリンゴ」 by富良野のオダジー 2009年04月07日(火)

  46,304 byte「奇跡のリンゴ」は、私が会員になったインターネット本屋「田舎の本屋さん」が送ってくれる「出版ダイジェスト」という新聞を見て、すぐ注文したと思う。
農業関係の本は、今までも、「山と田畑をシカから守る」「野菜の種はこうして採ろう」「いのちの種を未来に」なども買っている。
もちろん、ヒマ潰しに買ったわけではない。農業に、もの凄く、興味があるのだ。
私と農業の関わりは、育てる、作る方ではなくて、もっぱら、出来上がったものを利用することだ。レストランの食材だったり、メロンの販売だったり・・・。
ただ、昨年ぐらいから、麓郷のブルーベリー畑の草取りや果実の収穫などを、見よう見まねで始めた。それだって、“本格的”には程遠く、ほんのお手伝いの範疇だ。
腰を落ち着けて、もっとやってみたいと思うが、時間が無い。
「奇跡のリンゴ」である。
この本は農業の本の流れで買ったのだが、ちょっと違った。
内容は、不可能だと言われた無農薬、無肥料でリンゴを育てた話。
まさに、農業の話のようだが、違う。
読んでいると、自分の「生き方」そのものを問われる本だ。それは、言ってしまえば、農業とか、リンゴとか、無農薬とか、無肥料など、何の関係も無い。
生きるとは、人生とは、仕事とは、家族とは・・・。
主人公の木村秋則(きむらあきのり)は、どこにでもいそうな普通の人的なところが、困る。まったく自分とかけ離れた、まったく次元の違う世界で、事を成した人なら、素直に、「わぁ〜、木村さんってすごい!」と感心して済んでしまうかもしれない。
なまじ、近くにいそうなので、困る。
「お前は、ちゃんとやってるか」と、怒られそうで、困る。
ノーベル賞は、どんなことをしても、自分が取れるとは思わないが、強い信念を持てば、なんか、木村さんに近づけそうに思うのが、困る。
だけど、木村さんがやったことは、誰も出来ないし、そんな生易しいことではない。
とにかく、色々な意味で、出会えて良かった本だった。
ちなみに、木村さんのリンゴやリンゴジュースを手に入れるのは、至難の業らしい。それはそうだろうと思った。食べたいし、飲みたい気もするが、それはそれで良いと思う。
 


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