PROVERB
 

へそに関することわざ


    諸外国に比べて日本では、臍(へそ)に関する格言・ことわざ・熟語が非常に多く、中には
  今日の日常生活にあまり使われなくなったものもあるが、ここで紹介しておきたい。

臍(へそ)がくねる 「臍が茶を沸かす」と同意。

臍(へそ)が西国(さいこく)する へそが西国巡礼をする。「臍(へそ)が茶を沸かす」と同意。

臍(へそ)で茶を沸かす おかしくてたまらない、また、ばかばかしくてしかたがないたとえ。多くあざけり の意を込めて用いる。

臍(へそ)が入唐渡天する あんまりおかしくって臍が唐から天竺へまでも渡って行く。「臍が茶を沸かす」と 同意。

臍(へそ)が縒(よ)れる あんまりおかしくって臍がねじれる。おかしくってたまらない。

臍(へそ)で笑う 「臍が茶を沸かす」と同意。

臍(へそ)の上へ帯を締める へそは全身の力の集まるところという考えから心をひきしめるとか、覚悟を決める ことをいう。ふんどしをしめると同意。

臍(へそ)の緒切って 出生後すぐ臍の緒を切ってから。生まれてこのかた。生まれて初めてということ。

臍(へそ)の緒引き摺る 臍の緒は出生後すぐ切るものであるのにそれを切ることなしにそのままひきずって いる。生まれた時のままで少しも進歩していないということ。

臍(へそ)の胡麻 へその中にたまった垢。胡麻に似た形でたまるのでいう。

臍(へそ)の下三寸 へそから三寸(約9cm)下の部分。また、そこにあるもの。男女の性器を遠回しに表 現することば。

臍(へそ)の下に知恵の無い人 あるのは情欲ばかりで、人間らしい思慮分別のない人。色欲におぼれがちの人を揶 喩していう。

臍(へそ)の下へ気を落とし着く 下腹に力を入れて、気を落ち着かせる。気を丹田に落ち着かせる。臍下丹田の意。

臍(へそ)は体の括り目 へそはからだの中心で、からだ全体の締めくくりをなすものだということ。

臍(へそ)冷やし 媒酌人が貰った謝礼で近隣の知人を招いて振舞うこと。仲人は臍冷やし。

臍(へそ)を動かす 冗談などをいった、相手を大いに笑わせる。

臍(へそ)を固める 「臍(ほぞ)を固める」に同じ。

臍(へそ)を噛む 「臍(ほぞ)を噛む」に同じ。

臍(へそ)を曲げる 機嫌をそこねて意固地になる。すねる。機嫌が悪くてわざと意地悪をする。 へそまげる。

臍(へそ)を宿替えさせる 「臍を動かす」と同意。

臍(へそ)を撚じる たいへんおもしろがる。おかしくてこらえきれないさまをいう。

臍(へそ)繰り金 綜麻(へそ)を繰ってためた金。人のへそと混用して多くの臍の字を当てる。 転じて、他の人に知られないように、少しずつ蓄えた金銭。

臍(へそ)繰る 臍繰りをためる。

臍(へそ)包み(ぐるみ) 胴巻きなどを腹に巻き付けること。また、そのもの。

臍(へそ)黒(ぐろ) 腹の黒いこと。性質がよくないこと。また、そのような人。はらぐろ。

臍(へそ)茶 「臍が茶を沸かす」の略、おかしくてたまらないこと。

臍(へそ)の緒 胎児の臍と胎盤をつなぐ細長い帯状の器官。臍帯(さいたい)

臍(へそ)曲(まがり) 性質がすなおでないこと。ひねくれていること。また、そのような人。

臍(ほぞ)が外れる 腹がすく。

臍(ほぞ)が縒(よ)れる 「臍縒れる」に同じ。

臍(ほぞ)堪え難し がまんができない。こらえることができない。

臍(ほぞ)に陥る 計略にかかる。計画どおりになる。

臍(ほぞ)を入れる (臍は、男根のこと)交接する。交合する。

臍(ほぞ)を固める 固く心を定める。決心を固める。覚悟を決める。堅固に用心する。

臍(ほぞ)を噛め 後悔する。すでに及ばないことを悔やむ。返らないことを後悔する。「臍を食う」 に同じ。

臍(ほぞ)を決める 覚悟する。決心する。心を決める。決意する。

臍(ほぞ)を食う 「臍を噛む」に同じ。

臍(ほぞ)を付ける 飯を食う。食事をする。

臍(ほぞ)を外す 腹をすかす。