「げっぱ」ー運動会の必須用語
方言レクチャー シリーズ 第5弾!

「俺、子供の頃足が遅くてさ〜、運動会じゃいつもげっぱだったもんなあ」

「げっぱ」=「びり、最下位」

北海道では、とりわけ運動会で大活躍する言葉です。
「げれ」とか「げれっぱ」とも言います。
語源は「下っ端」とにらんでいるのですが、いかがなものでしょう。
標準語の「びり」の語源は、古語で「尻」の意味なんだそう。
なあるほど。
それで「びり」→「どん尻」→「最下位」となるわけですね。

しかしこれ、言われる方にとっては、かなり屈辱的な響きのあるきつ〜い言葉ですよね。

「げっぱ、げれっぱ、げれ」だもの。

なんたって音の響きが汚い。
「びり」 にはどこかしらかわいらしいニュアンスもあって、頭掻き掻き、

「いやん、びりになっちゃった」

って照れ笑いできる雰囲気があるけれど、これが「げっぱ」となると趣は一変。

「あいつまたげっぱだってよ」

吐き捨てるがごとく言い切られる感じ、救いというものがない。

「私っていつもびりだったの」と女の子がうつむき加減に言うと、「大丈夫、大丈夫。気にすることないからね」と、思わず父性愛がわき起こり、やさしくなぐさめてあげたくもなるのだけれど、「げっぱ」にはこの「愛らしさ」というものがない。

「私っていつもげっぱなんだ」

こう言われて愛おしい感情が芽生えて来ると思います?

「げっぱ」 の使用法を間違えているのですね。
愛らしい子に「げっぱ」という言葉は似合わない。

「げっぱ」 を使うなら、

「どうせあたいはいつもげっぱなのさ」

と、斜に構え、投げやりに言う。
ね、これならしっくりくるでしょう?
このどこか「お下品な」感じ、 そしてからに「はすっぱな」感じ。
これこそが正しい「げっぱ」の使用法
なのであります。

*髪の毛の最下位が「ハゲッパ」である という説もありますが、どうもうそくさいので無視しましょう。


新シリーズ 伏田良の北海道弁レクチャー
−北海道弁をより深く知りたい方のために−

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