『あずる』 ー心理的・物理的状況を一言で表現
方言レクチャー  シリーズ第19弾!

■「いやあ、車が轍にはまっちまってさぁ、あずって動けないんだわ」

「あずる」=「すべって空回りする」 の意。
語源は「焦る」 です。
「焦る」 が津軽弁風に訛って「あずる」という発音に転化されたのだそうです。

ネットで検索すると、高松・愛媛・岡山・広島あたりでも「おらが地方の方言」として取り上げられていますので、ルーツはたぶん中四国地方にあるのでしょう。

高松では(出典:高松の方言
「困る・悩む・もてあます。「てこずる」と同義」 と解説されています。

また「訛り懐かし益田の標準語」では、
「あずる =焦る、の意。
でも、「あせる」というより、焦りの度合いが違う。「あずりっ屁」というとき、「あせりっ屁」では切迫感がまるで違うような気がするのだ。」
とも解説されています。

へえ〜、「あずりっ屁」 なんて言葉があったんですねえ。
「焦りまくって、うっかりオナラ」ってことなんですかねえ。
私の場合、「緊張しすぎて屁も出ねえ」という状態(あらま、お下品!)に陥ってしまいますが。
でも、いいですねえ、「あずりっ屁」。
なんともまあ長閑な雰囲気で(笑)。

北海道でも高松のように、「すべって空回りする」と言う意味合いから、「物事がうまく進まない・てこずる」という場合にも使用します。
てこずる・あせる・もてあます」 といったあたりのニュアンスでしょうか。

A社と商談してるんだけどさぁ、あそこの専務だら(なら)なまら(とても)頑固者でよ、あずって話が進まないんだわ」
なんて言います。
「焦る」からますます「空回りしてしまう」 というわけですね。

冒頭の例文ように、「車があずって動けない」と言った場合、それは「自動車のタイヤが空回りする」という物理的な情景を表現すると同時に、そのために「運転している本人も焦っている」という心理面をも表現しているわけで、物理面と精神面の両面を一言で表現する、便利かつ奥行きのある方言と言えます。

まとめると。
「あずる」とは、「焦るが故に万事が空回り状態となり、物事がスムーズに進まない」 状況を表現する言葉と言うことになりますね。

この解説文自体なにやら「あずってる」感じもしますが。

新シリーズ よく使う北海道弁詳説
−北海道弁をより深く知りたい方のために−

@うるかす
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B書かさる
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Eこわい
F手袋をはく
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Iいいふりこきのがんべたかり
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Kがおる
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Mいづ(ず)い
Nしばれる
O(へ)なまずるい
Pなんもなんも
Qなまら
Rあずる

 

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