「ばくる」ー開拓当時の職業がルーツ
方言レクチャー シリーズ 第9弾!

「あ、その玉子焼きおいしそう!私のとばくって〜」

「また前の席かよ。たまには後ろに座りたいなあ。誰かばくってくれんべか」

「このゲームソフトもう飽きちゃったから、あんたのやつとばくりっこしないかい」

「ばくる」。
耳慣れない言葉ですよね。
北海道弁で「交換する・取り替える」っていう意味なんです。
名詞形では「ばくり」とは言わず、「ばくりっこ」。
「取り替えっこ」と言う意味です。

語源は「博労(馬喰)」
なのだそう。
「馬喰」とは「牛や馬の仲買人」のこと。
昔はこの「博労」が、牛や馬を米や野菜などと「物々交換」していたことから、「博労」→「ばくる」に変化していったのだそうです。


小生も子供の頃よく使ったものですが、道産子ネイティブなら今現在大人でも使っています。

「さっきこの店で買った品物なんだけど、ちょっと傷があるんだわ。他のとばくってもらえんべか?」
なんてね。


この言葉、「交換する動作」すべてに使用可能かというと、そうではなく、ニュアンスとしては「個人間で行われる、ビジネスを伴わない「物々交換」という意味合いが強いんですね。
したがって「タイヤ交換する」ことを「タイヤをばくる」と言ったり、「ちり紙交換」を「ちり紙ばくり」、「電話交換士」のこと「電話ばくり人」、「夫婦交換」のことを「夫婦ばくりっこ」などと言ったりはしませんので、よーく覚えておくように。

また、冒頭の事例のように、容易に取り替え可能な「小物の同士の交換」に使用する場合が殆どで、土地建物の等価交換のような「大物」には使用しないという不文律もありますので、このこともどうかご承知おきいただきたく。

「あんたの土地、俺の土地とばくってくれんべか」

これでは、とても良い大人がする会話とは言えません。
このような言い方は 一部「や文字」方面の方のみ使用するわけであり、素人衆のみなさんがこのような言い方をするとみなさんの知性・品性が疑われかねませんので、くれぐれもご注意のほど。

さて、余談ですが。

「しらばっくれる」ことを「ばっくれる」と省略して言うことがありますよね。
安い品物を高級品と偽って(ばっくれて)、相手の高価な品物と交換せしめることを、道産子は「ばくりっこでばっくれる」と言ったりするのですね。←言わないって

新シリーズ よく使う北海道弁詳説
−北海道弁をより深く知りたい方のために−

@うるかす
Aあずましい
B書かさる
Cゴミを投げる
Dげっぱ
Eこわい
F手袋をはく
Gはんかくさい
Hばくる
Iいいふりこきのがんべたかり
Jおだつ
Kがおる
Lおばんでした
Mいづ(ず)い
Nしばれる
O(へ)なまずるい
Pなんもなんも
Qなまら
Rあずる

伏田良のお笑い北海道方言辞典

 

 

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