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『ゴミを投げる』 ー道産子のダイナミズム
方言レクチャー シリーズ第4弾!
「ゴミを投げる」
内地の人が北海道に来て、まず一番初めに驚く方言はこれなんだそう。
他の方言の場合はもともと聞いたこともない言葉なので、すぐにそれと察しがつくわけだけれど、「投げる」は明らかに標準語。
「物を遠くへ放る」行為が「投げる」であって、ただ単に「捨てる」ことを「投げる」とは言わないのですね、ふつう。
が、しかし、道産子にとってゴミは「投げる」のがふつうで、「捨てる」とは言わない。
実際これが方言であると気づいている人の方が少ないくらいであります。
「ごめん、ちょっとこのゴミ投げてくれる?」
「え?投げるって、どこへ?」
「ゴミ箱に決まってるしょ」
「ここから投げるの?」
「そんなことするわけないしょ。あれ?ゴミ投げるって言わない?」
道産子が内地の人に「ゴミ投げて」と頼んだときには、こういうちぐはぐな会話が交わされること必至であります。
下手をすると頼んだ相手が真に受けて、自分に向かってゴミを投げつけてくることさえあるので、要注意です。←ないって
それにしても「捨てる」 という標準語があるのに、何故道産子は「投げる」と言ってしまうのでしょう?
思うに開拓当時、北海道でゴミと言えばほとんどが雑草や切り株、石、馬糞!などのビッグサイズのゴミばかり。
これを始末するのはかなりの重労働だったのではないでしょうか。
こんなものを「ちょろちょろ捨てて」いたのでは埒があかない。
こうしたビッグサイズのゴミをかたずける時には、馬車や馬そり、ネコ(一輪車)などを使って、一度にドッと処分するという方法を採用したであろう事は想像に難くありません。
で、そのようなダイナミックな行為を表現するには「捨てる」より、やはり「投げる」の方が、表現としてぴったりはまったのではないでしょうか。
「ゴミを捨てる」ではなく「ゴミを投げる」が方言として定着してきた背景には、このような知られざる歴史的事実が潜んでいたに違いないのです。
え〜、というわけで、われながら呆れかえるほどの鋭い洞察力に一人ほくそ笑む弥生月末の夕まぐれなのでありました。
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