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『(へ)なまずるい』ー「ずるい」の上を行くズル
方言レクチャー シリーズ第16弾!
「あいつだら、まぁず、なまずるくてどもこもならんぞ」
ずるがしこい奴に一撃食らわす、北海道弁の常套句です。
標準語の「ずるい」 に北海道弁の「なまら(すごく)」がくっついて出来た言葉。
「ずるい」 の比較級で、意味としては「すごくずるい」。
最上級の場合「へなまずるい」 となります。
今風に言うと「チョーずる」。
「ひなまずるい」 と発音する人もいます。
「なまずるい」 までは許せたとしても、「へなまずるい」となれば、これはもう情状酌量の余地なし。
「人として許すわけにはいかない」というほどの厳しい評価となります。
意味は違いますが「いいふりこきのがんべたかり」 同様、陰口をたたくときの用語であり、直接本人に向かって言うのは禁じ手。
昔子供たちの遊びに「パッチ」というゲームがありました。
本州では「メンコ」 と言いますね。
隣近所の悪ガキどもが集まって、板の上に乗った「パッチ」をひっくり返したり、板から押し出したりして、数人で「パッチ」の奪い合いをするのですが、中には「手くそ(わからないように手でパッチに触れて、板から出す」という高度な技術を必要とする反則技の常習犯がいて、手品もどきの技術を駆使して連戦連勝。
肉眼ではなかなか見破られない反則技なのですが、そいつがやっていることはほぼ間違いない。
ゲームが終わって、 全員手持ちの「パッチ」 を巻き上げられた腹いせに、陰で言う言葉がこれでした。
「あいつは絶対なまずるい事やってる」 。
そして、こうした出来事が度重なると、いつしか「手くそ男」は仲間内から「へなまずるい奴」という烙印をおされ、やがて誰にも相手にしてもらえなくなってしまうんです。
たかが子供の遊びとはいえ、掟破りには容赦なしという、なかなか厳しいルールでしょう?
え?私ですか?
私はと言えば、当然ながらいつもパッチを巻き上げられる口。
いわゆる「カモ」 ってやつです。
三つ子の魂百まで、現在の私と同様、幼少のみぎりも 「へなまずるさ」 とはおよそ縁遠い、それはそれは純真無垢な少年だったのでありました(自分で言うか、しかし)
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