|
「なまら」ー全国区となった「ダサかわいい」方言
方言レクチャー シリーズ 第18弾!
「いやあ、今日はなまらしばれるんでないかい」
「なまら」 は北海道弁で「すごく」 「とても」という意味。
標準語だと「いやあ、今日はとても寒いですね」 となりますが、「しばれる」という表現自体が、マイナス20℃を超えるような尋常ならざる寒さを表現していますので、そこに「なまら」が付くとなると事は重大。
水道管は破裂するわ、車のバッテリーはあがってしまうわ、金魚鉢の水も凍ってしまうわ、学校はお休みになるわと言った具合で、まちのいたるところでてんやわんやの大騒動となるわけであります。
にしてもちょっとやらしい響きのこの「なまら」 という方言。
今ではすっかり全国区の人気者となった大泉洋が、「水曜どうでしょう」 でこれを連発。
おかげで(?)最近は都会の女の子の間でも「ダサかわいい」 方言として頻繁に使用されるようになったのだそう。
ネットで調べてみたら、Wikipediaでこんな風に解説されrていました。
【なまら、なんまら(とても、かなり)】
比較的新しくできた表現(新方言)で、年配の人はあまり使わない。
女性が使うのを嫌う人もいる。主に道央、旭川、富良野などの内陸部で使われ、稚内周辺では同意語で「べろ」、函館周辺では「がっつ・がっつり・ばっこり」というものがある。なんまらは強調表現。元々のルーツは「新潟弁」であるが北海道とは逆で、年配の人が使い、若年層では殆ど使われない。
さらに2chでは「言語学者」を名乗る方が、「なまら」の語源について以下のように説明しています。
「なまら」は「なまったら」の変化形で、専ら北海道地方で使われています。昭和39年から41年にかけて少しずつ変化しました。
「なまったら」の語源は、北海道地方の食糧事情と深い関係があります。
食糧王国とか漁獲高日本一と言われた北海道ですが、現在ほど食品の流通機構が整備されていなかった昭和30年以前は最大の動物性蛋白質の供給源は魚でした。
その魚の中でも最も廉価で庶民の食卓を賑わすのは「鱈」が中心でした。しかしその頃は魚の保存技術が低いため、旬以外の時に生の鱈を食べることができませんでした。
そこで考え出されたのが「棒だら」と言われる干物です。庶民はその干物を水で戻して調理していました。
すなわち「生のタラ」を目にする事は殆ど有りませんでした。
そこで「すごいもの」→「すごい」と言う意味で「なまったら」を使い始めました。
へえ、なるほどねえ。
めったに食べられないすごいもの=生のたら
↓
すごいもの=なまったら
↓
すごい、すごく=なまら
というわけですね。
説明があまりに理論的すぎて、ちょっと出来すぎの感がしないでもないのですが、言語学者を標榜する御仁がおっしゃるんだからたぶん正しいのでありましょう。(なんたる無責任!)
それにしてもこの「なまら」という言葉、語感がいかにも男臭いなあ?
そしてからに、ちょっとお下品。
でありますので、かつては地元北海道でも使うのはもっぱら男性たちに限られておりました。
女性が使うとすれば、ちょっとヤンキーの入った茶髪の女子高校生くらい。
が、あの大泉洋が全国に広めてからと言うもの、男女を問わず若者たちの間で頻繁に使用されるようになってしまったわけで、いやいや、げに恐ろしきは人気タレントの影響力。
しかしなあ、こんなお下品な言葉を、かわいい女子高校生たちが何の抵抗もなく使っているのかと思うと・・・
ああ、おじさんは悲しい・・・
「ユニセクシャル化」という現代の風潮を、一人嘆きまくっている今日この頃の私ではありますが、札幌の地下街あたりで時折耳にする、「○○ちゃん、なまら〜」なんて女の子同士の待ち合わせの挨拶などは、なぜかなまら微笑ましく思えたりして。
少々お下品な方言でも、使い方とみたくれによっては、こんなにチャーミングな言葉に変身してしまうものなんですね。
|