『うるかす』 ー道産子の省略力を見よ!
方言レクチャー  シリーズ第1弾!

「うるかす」という北海道弁があります
「水にひたす」とか「ふやけさせる」 と言う意味のことばですが、どんなとき使うかというと、「食べ終わったら、お茶碗うるかしといてね〜」とか「お米って研いですぐ焚くより、20〜30分間うるかしてから焚く方がおいしく炊けるんだよね〜」なんてね、言うとき。

「ふやける」も北海道弁では「うるける」。
お風呂に入って長くつかっていると、手のひらが水分を含んでお年寄りの手みたいに「シワシワ、ふにゃふにゃ」の状態になるでしょう?
あれです、あの状態。

漢字では「潤ける」と書くんですね。
「潤」という漢字は「潤う」 、すなわち「水気を含んでしめる。ぬれる」ということになりますね。

「お茶碗うるかしといてね〜」といっても、「お茶碗」自体をふやかすわけではなく(できるわけもないし)、「お茶碗についた米粒をふやかして洗いやすくしておいてね」という意味なんです。

これ標準語では表現できませんよね。
「お茶碗ふやかしておいて」 なんて言うと

「お茶碗がふやけるわけないだろう!」

って、突っ込みが必ず入るに決まってます。

この作業をお願いするためには

「お茶碗にこびりついたお米を洗いやすくなるように、水につけてふやかしておいて」

って、長々と説明する必要がある。
まだるっこしいでしょう?

その点「うるかす」は便利。

「お茶碗うるかしておいて」

これ だけですべての意味が通じちゃうんですから。
文字数にしておよそ三分の一。
なぜこんなことになるかというと、「うるかす」 という言葉の中に「水につける」という意味と「ふやかす」という二重の意味が込められているからなんですね。

「食器を洗う前に水に浸して、こびりついた汚れをふやかしておく」という複雑な作業内容を「茶碗をうるかす」という一言でかたづけてしまう。

う〜む、なんたるこの省略力!


これぞ北海道弁の神髄といえるのではあります真イカ。

新シリーズ よく使う北海道弁詳説
−北海道弁をより深く知りたい方のために−

@うるかす
Aあずましい
B書かさる
Cゴミを投げる
Dげっぱ
Eこわい
F手袋をはく
Gはんかくさい
Hばくる
Iいいふりこきのがんべたかり
Jおだつ
Kがおる
Lおばんでした
Mいづ(ず)い
Nしばれる
O(へ)なまずるい
Pなんもなんも
Qなまら
Rあずる

伏田良のお笑い北海道方言辞典



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