|
『うるかす』
ー道産子の省略力を見よ!
方言レクチャー シリーズ第1弾!
■「うるかす」という北海道弁があります。
「水にひたす」とか「ふやけさせる」 と言う意味のことばですが、どんなとき使うかというと、「食べ終わったら、お茶碗うるかしといてね〜」とか「お米って研いですぐ焚くより、20〜30分間うるかしてから焚く方がおいしく炊けるんだよね〜」なんてね、言うとき。
「ふやける」も北海道弁では「うるける」。
お風呂に入って長くつかっていると、手のひらが水分を含んでお年寄りの手みたいに「シワシワ、ふにゃふにゃ」の状態になるでしょう?
あれです、あの状態。
漢字では「潤ける」と書くんですね。
「潤」という漢字は「潤う」 、すなわち「水気を含んでしめる。ぬれる」ということになりますね。
■「お茶碗うるかしといてね〜」といっても、「お茶碗」自体をふやかすわけではなく(できるわけもないし)、「お茶碗についた米粒をふやかして洗いやすくしておいてね」という意味なんです。
これ標準語では表現できませんよね。
「お茶碗ふやかしておいて」 なんて言うと
「お茶碗がふやけるわけないだろう!」
って、突っ込みが必ず入るに決まってます。
この作業をお願いするためには
「お茶碗にこびりついたお米を洗いやすくなるように、水につけてふやかしておいて」
って、長々と説明する必要がある。
まだるっこしいでしょう?
その点「うるかす」は便利。
「お茶碗うるかしておいて」
これ だけですべての意味が通じちゃうんですから。
文字数にしておよそ三分の一。
なぜこんなことになるかというと、「うるかす」 という言葉の中に「水につける」という意味と「ふやかす」という二重の意味が込められているからなんですね。
「食器を洗う前に水に浸して、こびりついた汚れをふやかしておく」という複雑な作業内容を「茶碗をうるかす」という一言でかたづけてしまう。
う〜む、なんたるこの省略力!
これぞ北海道弁の神髄といえるのではあります真イカ。 |