さようなら!ハートの木 2017年8月31日

 「ハートの木」とは,宇文小学校のグラウンドに立つ樹齢約100年の立派なウンリュウヤナギの木とです。宇文子たちは,そんなウンリュウヤナギの木を全体のシルエットから「ハートの木」と呼んで親しんできました。

 昨年の樹木医の診断によると,老朽化に伴い幹の内部が侵され倒木が懸念させることから,児童の安全確保のため伐採することになっていました。118±23年ということからして,宇文小学校が開校した1920(大正9)年頃からずっと学校と子どもたちを見守ってきたと考えられます。

  •  4月の朝会で,子どもたちに伐採のことを改めてお話し,このことについてどう思うか,また,どのようにお別れをしたらいいか,子どもたちの願いや思いを書いてもらいました。

 その後,子どもたちの思いやアイディアを生かしながら,やむを得ない伐採を子どもたちの心を育てる体験の場とすることで,子どもたちの心や宇文小学校に「ハートの木」を生かし続けていくことはできないか,検討を続けてきました。

 8月31日(木),いよいよ伐採の日となりました。子どもたち,保護者,駒井宇文連合会長をはじめ地域の皆様,教育委員会,伐採業者の参加のもと「ハートの木」とのお別れ会を行いました。
 老朽化に伴う児童の安全確保のためとはいえ,開校した当時からずっと学校と子どもたちを見守ってきた宇文小学校のシンボルツリーを切らなければいけないことは,大変残念で,さびしいことです。
 「お別れ会」では,子どもたち一人一人が「ハートの木」への感謝の気持ちを表すとともに,この木の下で成長したたくさんの卒業生の思いを受け継ぎこれからも宇文小や宇文地域を大切にしていこうという思いをもつことができたと思います。また,生命ある「ハートの木」の伐採を通して,命を大切に思う気持ちを深めることにもつながりました。

 子どもたちと教職員,たくさんの地域の皆様や保護者,教育委員会関係者に参加いただいたお別れ会のあと,みんなでハートの木のたくましい幹にふれたり,お神酒をささげたりして最後のお別れをしました。

いよいよ伐採 最後のお別れ

 お別れ会が終わり,参加者の皆様が解散し,子どもたちは授業の授業が始まるといよいよ伐採作業が始まりました。子どもたちは授業の合間にだんだんと切られていくハートの木を見つめていました。最後の太い幹を切る時,みんなグランドに集合しハートの木との最後を見守りました。

 切られたハートの木をみんなで見たり触ったりしていると,なんとハートの木の「実」が見つかりました。「もしかしたら,この実からまた新しい命をつなげるかもしれない!」子どもたちは,夢中で実を探しました。業者の方に聞くと,柳の木の実は珍しいそうです。新しい夢が広がりました。

 今後は,伐採後の木材を使って思い出になるものを作って残す活動や,今回見つけた実や新たな植物を育てることで命をつないでいく活動に取り組んでいきたいと考えています。これからの新たな教育活動をご期待ください!

  • ※中富良野町のホームページ「フォトトピックス」でも紹介されております。
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