手のひら栄養指導


●自覚症状の乏しい糖尿病の食事療法は、自己管理しようとする動機付けが非常に大切となります。また、過去に食品交換表の説明を受けマイナスイメージを持った場合、計量が容易でない高齢者の場合、自らが調理することはなく食事回数・時間も不規則といった男性独身者の場合などでは、特にわかりやすく、実行しやすい食事療法が必要かと思われます。そこで当院では、愛知江南短期大学教授五十嵐桂葉(けいは)先生の「手のひら栄養指導」を導入しておりますので、その内容の一部を紹介しますので参考にしてみて下さい。

●「手のひら栄養指導」とは、食品交換表を土台とし、手のひらを必要な食品の目安量を示す道具として利用することで、栄養バランスのとれた食事を作るために必要な食品の構成を覚えやすく、取り組みやすくしたものです。

●表1に当たる主食の説明では、両手に収まる大きさの茶碗を基本とします。今使用している茶碗の大きさを確認すると、多くの方がこの位の茶碗を使用していると答えています。指示エネルギーにあわせて、1600kcalの方は、2ぜん程度が適当です。イモ類はご飯の仲間に、麺類を1人前食べたときはご飯を食べないなどの、表1に関する注意事項の説明もあわせて行います。


●主菜の説明では、おかずの主役になっているものと表現を変えています。両手に1日に必要な主菜をのせ、これらを1日でとるように説明します。卵の場合は、病態によっては摂取回数の注意が必要となります。魚は、手相を見るところの厚さと大きさが1回量の目安となり、脂ののった魚では少々小さめになります。肉は、指の5本分の大きさで、脂の部分は除いて考えます。豆腐は、片方の手のひらにのせて落ちない程度の大きさとして、およそ1/3丁となり、交換表で示す木綿豆腐1単位(100g)とほぼ同量となります。卵では、指をそろえて、その上にのる個数で1個となります。手を見ると、手のひらと指先では、手のひらの方が面積が広く、そこに魚や大豆製品が当たっていることがお分かりかと思います。

●副菜の野菜は、1日に緑黄色野菜100g以上、淡色野菜200g以上、合計300g以上になることが望ましいとされています。両手をあわせた時に生の状態でのるのが、およそ100gですので、それが3つで300gとなり、毎食両手1杯分の野菜が必要となります。海藻、きのこ、こんにゃく類は、両手分に換算せず、調味料に配慮しながら積極的にとるように勧めます。

●右の図は、当院で使用している「手のひら栄養指導」のパンフレットです。主食・主菜・副菜の3つが、1食にそろえられるようになることが食事療法の基本となりますので、これまでの3つをA4サイズ1枚にまとめています。イラストの左横には、指導される方の食生活における特徴の中で、改善すべき点や「ご飯は1食に何膳」といった指示量を記入します。

(管理栄養士:藤田望美、栄養士:松田真美子)



  





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