Q&A(質問・回答の一部を紹介します)



 21歳男性から
NUDについて詳しく教えていただきたいのですが、宜しくお願いします。




NUDは、non-ulcer dyspepsiaの略で、適当な日本語訳は統一されていませんが、 直訳すると「潰瘍を認めない消化管症状」とでも訳するのでしょうか。 (ulcerは潰瘍、dyspepsiaは以前消化不良と訳されていました)要するに、胃や食道に検査で炎症や潰瘍といった器質性病変が認められないのにも かかわらず、胸やけや胃のもたれ、吐き気、むかつき、腹痛などの不定症状が見られる 場合をいい、その原因が胃や食道の運動機能に異常が生じていることによるとされています。 以前から、あるいは現在でも神経性胃炎と診断されている大部分が含まれているものと思われます。 自覚症状によって色々タイプがありますが、例えば胸やけやげっぷなどを生じた場合、 食道と胃の運動連係が悪く胃液の逆流が起こるため症状がでると言われています(胃食道逆流型)。 このほかにも、胃の蠕動運動が低下してもたれや吐き気などがおこるタイプ、 胃酸の分泌が多すぎて胃痛がおこるタイプなどがあり、それぞれの対策が講じられます。 その対策としては、消化管運動を調節する薬や胃酸を抑えるくすりなどの内服や 食生活などの日常生活改善が試みられます。

*最近では、FD〜機能性(functional)dyspepsiaと言われることが多いようです。FDの診断基準は、過去12ヶ月間に、必ずしも連続性ではない12週間以上にわたり、持続的または繰り返し上腹部中央に腹痛または腹部不快感が認められ、また上部消化管内視鏡検査を含め、症状を説明するだけの器質的疾患がないもので、それらの消化器症状は排便に伴って軽快することがなく、排便回数の変化や便性状の変化と関係がないこととされています。


 30歳女性から
初めまして呑気症についてお聞きしたいのですが・・・。私はお腹にいつもガス(空気)が溜まってしまい苦しいです。呑気症ではないか?と言われました。食事も気をつけてゆっくり食べるようにしていますが、食事をして2時間すると摂取量が少なくてもかなりお腹いっぱい状態で、時々吐き気もします。ストレスがかったり神経質な人が呑気症になりやすいと聞きましたが、私の場合リラックスした状態でも苦しさは変わらないのです。精神的に何も不安に思ったり、ストレスがたまっていなくても、呑気症と診断されたら内科でなくて心療内科にとかになってしまうのでしょうか? また、呑気症と腹部膨満感の違いは何ですか? 症状が少しでも緩和できる方法がありましたら、是非アドバイスをお願いします。
 




腸管内にガスが多量に貯留して、腹部膨満感などの症状を呈する状態を鼓腸と言いますが、この原因の一つとして呑気症(嚥下する空気の量が増加した状態)があります。唾液や食物を飲み込む際に空気も一緒に飲み込むことは通常見られますが、この回数や量が多くなって身体に症状が出た状態が呑気症なのです。したがって、呑気症ででている症状(状態)の一つが腹部膨満感と考えて良いと思います。飲み込んだ空気がのどの所や食道の部位にとどまると喉頭部の違和感や食道の異物感・つかえ感を伴うこともあります。そうすると、唾液を飲み込んで確かめたり、異物感を解消しようと試みると、また空気を飲み込んでしまい症状が増強するといった悪循環に陥ります。本当はそのうち良くなるのではと、気楽な気持ちでいるのが良いのですが、なかなかそうはいかないのが現状です。
このほかに鼓腸の原因としては、腸管のガスが排出できなくなる状態(腸閉塞)、腸管内でのガスの異常発生(腸管内での発酵過多など)、腸炎や循環障害による腸管ガスの吸収障害なども原因となります。まずは、消化器科に受診し、胃腸に器質的疾患がないことを確かめることが宜しいかと思います。それまでは、やはり早食いを避けるとか、精神的にリラックスして、睡眠を十分とる、間食を避ける(特にガム類、菓子類など)、ガス産生の元になる芋類や肉類の過剰摂取、炭酸飲料を避けることも大事かと思います。


29歳女性から
ここ3年半、胃腸の不調に悩まされています。胃のレントゲン検査・胃カメラ・エコー検査などの検査でも悪いところは何もない。便秘のせい、肩こりのせいなどとも言われ、過敏性腸症候群の診断も受けています。いろいろ試してみてもすっきりなおらないので、ピロリ菌の検査を受けてみようかと思っていますが、私のようなケースでもピロリ菌が原因であるという可能性があるのか、教えていただきたいのです。




症状の記載、検査結果などを読ませていただきますと、やはり過敏性腸症候群あるいはNUDと考えられます。
過敏性腸症候群では、ピロリ菌の関与は考慮に入れる必要は全くなく、腸管の機能異常に基づいて症状が発現します。NUDに関しては、ピロリ菌が証明された場合、その除菌により消化器症状が改善するものと改善しないものとする相反する報告がなされてきましたが、現時点では否定される方向に向かっています。
*したがって質問の方の場合、 現在の所ピロリ菌を調べてその治療をするということは、あまり効果はないと考えられます。ただ両病態とも、心因的な部分が症状に関与する場合が大きいため、ピロリ菌のことが心配で、長らく気になっている場合は、心理的負担をとる意味で調べてみる価値はあると思いますが・・・ただこの場合はピロリ菌自体の検査が、保険が効かないため自費扱いとなります(検査方法や施設によってその費用は異なりますので、事前に確認して下さい)。
追記:内視鏡検査で「慢性胃炎」の診断の場合は、その進行にピロリ菌が関与していることもあります。胃癌との関連性も実験的・臨床的に現在検討中です 。潰瘍に限らず、どんどん病態が明らかになりつつありますが、現時点で何でもかんでもピロリ菌のせいにしてしまっては、話がややこしくなります。私の場合、潰瘍以外の胃炎などのケースでは、ピロリ菌を調べるまでは至りませんし、除菌することも現在の所考えておりません。


36歳女性から
2週間前から胃のあたりのの重たい感じと食後のガス、おなかのはりが強く、病院に行ったところ、胃腸病の前にレントゲンで胆石が分かり、まず薬で溶かすということでした。胆石の症状はよく分からないのですが、放っておいてよいものなのでしょうか?




胆石の症状としては、腹痛(主に右上腹部)、発熱、黄疸、吐き気および嘔吐などがあります。いわゆる胆石発作は、夕食後(特に脂肪食)から夜間にかけて多く見られます。症状発現は、胆石の存在場所や胆嚢の炎症の有無などによりそれぞれ異なった病態を呈しますが、健康診断などで偶然発見される無症状の胆石も少なくありません(成人の胆石保有率が10〜15%という報告もあります)。
胆石の治療法には、経口溶解療法(内服薬)、体外式衝撃波結石破砕療法、腹腔鏡下胆嚢摘出術、開腹手術または経過観察の種々の選択肢があります。治療方法を選択するには、胆嚢の炎症合併の有無、胆石の種類(コレステロール結石、ビリルビン結石など)数・大きさ、無症状胆石かどうかなどを検討してからになります。
*したがって質問の方の場合、 現在ある症状が胆石によるものかどうか判断する必要があります。ガス症状などから主体は胃腸症状と思われますが、断定はできませんので主治医に確認してみて下さい。無症状胆石で、非石灰化 コレステロール胆石では胆石溶解剤の適応にはなります。ただレントゲンで診断される場合は、石灰化を伴っている場合が大部分で適応外となるはずです。通常15mm以下ぐらいが溶かせる大きさといわれていますが、溶けると言っても6ヶ月から1年以上かかりますので、その点が短所となります。
無症状の胆石ならば放置してもよいかという問題ですが、偶然発見されたものであれば、症状発現する率はそれ程高くありません。したがって原則的に無治療でもかまいませんが、治療効果が期待できる胆石では溶解療法を選択した方がよいと思われます。ただし小結石が多発している場合や胆管に石がある場合はこの限りではありませんので注意して下さい。また無治療といっても胆嚢癌の合併といったこともあり、超音波検査や血液検査の定期チェックは必要です。



26歳女性から
6年前に不眠症と診断され、以来デパス0.5mgを毎晩1錠 服用してきましたが、今は薬を飲まなくても眠れるように努力しています。 というのも、そろそろ子供がほしいと考えているからです。 しかし、6年間に渡る長期服用の為、残留が心配です。 より安全な妊娠のためには、薬の服用を中止後、どのくらいの期間をあけるのが 望ましいのでしょうか。




デパスは、短時間作用性の抗不安薬であり、長期残留に関しては 薬剤添付書でもコメントはありません。 この薬での催奇形性を示唆する症例も疫学調査では報告されておりません。 ただ本剤との類似薬で、口蓋裂などの奇形報告例もあり 通常では、絶対過敏期(月経初日より28〜50日)を避けるように 投与中止するのが理想だと思います。生理日から中止し、1〜2ヶ月避妊していれば 先ず問題ないかと思われます。
なお、妊娠中の抗不安薬の服用につき、下記URLにQ&Aがあります。参考にしてみて下さい。
http://www.so-net.ne.jp/vivre/hkd/cons/health/k11_020.htm



??歳女性から
はじめまして。めまいがするので耳鼻科で見てもらったら、メニエール病 と診断されました。 でも、私の場合耳鳴り・難聴はありません。 眼の奥は痛いです。メニエール病について教えてください。


内耳性めまいの代表的な病気です。 内耳には、平衡感覚を司る前庭器官(前庭と半規管)と聴覚に関する蝸牛があります。 半規管には上半器管・後半規管・外側半規管があり、三半規管と呼ばれています。それぞれ 垂直の関係にあり、空間の3方向に対応しており、内部にあるリンパ液とそれを感知する器官で 平衡感覚を保っています。この前庭部の異常(原因は未だ不明な部分がありますが)で、 平衡感覚が狂いめまいなどの色々な症状が出現します。 蝸牛もこの前庭器に連続しているので、聴覚に関する症状(難聴や耳鳴り)を伴うことが多く見られます。
したがってメニエール病の典型例では、@発作性の回転性めまい、A耳鳴り、B難聴を主症状とし、 吐き気や嘔吐などを伴います。 非典型例では、難聴や耳鳴りなどの発作を繰り返すタイプ(蝸牛型)、めまい発作のみを反復する タイプ(前庭型)もあり、その都度症状や検査で判断されています。 治療は、やはり安静と抗めまい剤、吐き気を抑える薬、安定剤などによりますが、 疲労や、ストレスが誘因となることもよく見られますので、生活習慣の改善も考慮する必要があるかとも思います。

40歳男性から
5年前から糖尿病になったのですが、最近中性脂肪もかなり高いと注意されました。香辛料例えば唐辛子、胡椒、生姜など大好きで、特に韓国料理はここ2〜3年よく食べるようになりました。唐辛子などは代謝を高め健康によいと聞いたのですが、如何なものでしょうか?




一般に、香辛料に含まれる辛味成分には食欲を増進させる顕著な生理作用があり、そのほかに食物の風味の向上などにも使われています。最近、香辛料の持つ第3次機能(生体調節機能)が改めて注目されており、例えば唐辛子の消化液分泌亢進・血管拡張収縮、胡椒の食欲増進・下痢止め、生姜の消化吸収補助(ジアスターゼを含むため)・神経刺激作用・コレステロール低下作用など、この方面からの研究も進んでいるようです。
もう少し詳しく述べますと、辛味成分にはいくつかありますが、特に唐辛子に含まれる酸アミド類のカプサイシンには、体内のエネルギー代謝亢進(体熱産生亢進)と脂質代謝を速める作用があることが明らかになっています。以上のことからも、体内の代謝に関しては良い方向に働くことは理解いただけるかと思います。ただ、香辛料の中には、とても刺激性の強いものがあり、大量使用によっては、循環器系、消化器系などに悪影響を与えることもありますので、極端に多く使用することは避け、少量の香辛料を有効に使うことが必要かと思います。



??歳男性から
脇の下のリンパ腺が腫れて、その周辺の腕や脇の下が痛いのですが、これは内臓などの疾患によるものでしょうか。それとも疲れなどによるものでしょうか?数ヶ月前より、右脇が痛くなったり左脇が痛くなったりしています。通勤に重い鞄を肩に掛けていますが、最近は右肩のみにしか鞄を掛けていませんが、今現在は左脇が痛みます。この場合、内科・外科どちらを受診したらよろしいのでしょうか?




脇の下のリンパ腺(腋窩リンパ節)に流入するリンパ液は、主に上肢および胸部からきます。したがって、この部が腫れてくる場合は、先ず局部(脇の下)、腕、そして胸に病気がないかどうかを考えます。実際に診察したわけではありませんので、はっきりとしたことは言えませんが、明らかな腫れなのでしょうか?生理的にも触れる場合が結構あります。病的なもので一番考えられるのは、やはり感染症(細菌、ウィルスなど)です。もちろん腫瘍性の病気、血液の病気でも腫れてきますが、頻度はかなり(はるかに)少なくなります。また、良く診察することが大事で、小さな傷や化膿部位も見逃されがちですので注意を要します。
上記のことから、内臓疾患によることは少ないですが、肺疾患など鑑別が必要となることもあります。リンパ腺が腫れる場合、疲れとか重い物を持ったとかが、直接原因になることはまずありません。継続するようでしたら、やはり医療機関(内科・外科どちらでも良いかと思いますが・・)受診を勧めます。




40歳男性から
右の乳房にしこりがあり、触ると痛いです。見た目には何とも無いのですが、手でつまむと500円玉ぐらいあります。最近左側も少し痛みを感じるようになりました。乳癌なのでしょうか?怖くて病院にはいけません。もともと病院に行くのが嫌いでどこか悪くても殆ど何もせず、自然に直してきました。結果がとても不案です。よろしくお願いします。




このような状況で一番考えられるのは、やはり「女性化乳房」といわれるものです。 肝疾患(主に肝硬変)で肝臓でのエストロゲン(女性ホルモン)の不活性化の障害や 様々な疾患でのエストロゲンの分泌亢進などでおこります。 ただ最近では、内服薬の副作用として生じてくるものが多く見られます。 胃潰瘍の薬、吐き気止め、利尿剤、血圧の薬、ホルモン剤などがあり、市販の薬でも 結構類似薬があります。 現在薬を何か内服しているようでしたら、その薬の中止で症状は消失するものと思われます。 思い当たる節がなくて、症状が持続する場合はやはり医療機関で検査を受けるのが ベストかと思われます。



17歳女性から
2年前に極端なダイエットをして15キロ落とし、すぐに リバウンドして前の体重以上に太ってしまいました。体脂肪も前は23%だったのが 40%まで跳ね上がってしまいました。体は20才くらい年を取ったように張りが なくなり、すぐにシミができるようになってしまいました。全身ぶよぶよです。 このままでは成人病もこわいので、今度はリバウンドが来ないように健康的にやせたいです。 でも少しでも食事制限をすると大きな反動がきてしまいます。どうすればいいのでしょうか。 私の体は元に戻るでしょうか。




著しい減量療法でリバウンドする場合、減少した体蛋白の回復が少なく、体脂肪の方が増大するため(蛋白が補われる前に脂肪が蓄積し)、 サイクリング(減量〜リバウンドの繰り返し)の回数が多くなるほど 肥満を作り上げてしまいます。 したがって、減量する場合は体蛋白の減量が起こらないように、 必要なエネルギーを確保しながら減量することが基本です(エネルギーバランスを保ちながら)。 1週間単位で減量を目指さず、1ヶ月に1〜2kgを目標に減量を試みるのがベストです。 体重の1gは7キロカロリーに相当します。したがって、1ヶ月に1kg減らすには、 摂取する量をマイナス7000キロカロリーにすることです。 1日にすると約230キロカロリーの不足分をつくろうと試みる計算になるわけです。 230キロカロリーを思い浮かべながら、その1品をやめるとか、間食・ジュースをやめるとか・・少しずつ減らしていくのも良いかと思います (もちろん机上の計算上ですので、このような気持ちでということです)。
また、運動療法をする場合、一時的な激しい運動は、グリコーゲンなどの糖質が燃えるだけで 減量効果はあまり期待できません。体脂肪はゆっくり暖めないと火がつかず、燃やすには 多量の酸素が必要です。長時間行えて酸素を沢山取り込める「歩く」などの、 有酸素運動(エアロビクス)が適します。


 
24歳男性から
ダイエットをする人が多い中、僕は、やせていることに困っています。身長161cmで体重が47kgです。最近は特に顔の頬がこけて見えるらしく、困っています。ただ、体重は、20歳くらいから変わりません。たばこを1日に20本ぐらい吸っています。 太るためになにかいい方法がありましたらよろしくお願いします。




やせおよび肥満の判定基準は、通常標準体重に対する実測体重の割合で判定します。ここで言う標準体重とは、各種の疾病や異常の合併率ががもっとも少ない体重を意味し、健康成人の検診結果から、身長(m)X身長(m)X22で算出されるものと しました。この標準体重を用い、日本肥満学会では肥満度を次のように定めています。
つまり、{肥満度%=(実測体重−標準体重)÷標準体重X100}で、±10%の範囲を普通とし、+10%〜+20%を過体重、+20%以上を肥満、逆に−10%〜−20%を体重減少、−20%以上をやせとしています。
*質問の方の場合、 標準体重は(1.61X1.61X22=)57kgで(47-57)÷57X100で、−17.5%となり、判定基準では”体重減少”となりますが、”やせ”ているという悩みは、充分わかるような気がします。
*生まれつきやせていて、身体の機能の異常もないものは、単純性やせと言い、病的なやせとは見なされません。20歳のころから体重がほぼ一定で、症状もないようですので、単純性のものと考えられ心配ないと思いますが、体重減少の継続・食欲不振・動悸・手のふるえ・発汗↑などの症状があるようでしたら医療機関の受診を勧めます。
*病的でないと判断され、日常生活に特に不都合がなければ、あまり無理して太る努力をしなくてもよいと思いますが・・・。 太るためには、やはり一日で消費するエネルギ− を上回って摂取カロリ−を増やすしかありません。仕事内容や運動の有無などで日常生活エネルギ−も異なりますし、食事内容で摂取エネルギーも異なります。詳しく述べるためには、個人個人で異なってきますので、前期の内容をお知らせいただければ、検討してみます。
*最後にたばこの件ですが、喫煙は食欲不振の原因となり、ホルモン(カテコールアミン)の放出により皮下脂肪の分解が進み、皮下脂肪の減少が起こるという報告もあり、体重減少の原因にもなる可能性があります。これに限らず余りある害がありますので、この機会に禁煙を考えてみては如何でしょうか。





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