● 胃カメラから電子スコープへ ●
(再掲:広報ふらの、平成元年4月号)


「胃カメラ」の歴史の話をします。そして、胃カメラの最も進歩したかたちと言われている「電子スコープ(電子内視鏡)」についても少し触れてみたいと思います。
「胃カメラ」の歴史を考えた場合、ほぼ3期に分けられます。第1期が硬性胃鏡の時代で、金属の管を胃の中にさし込み、先端のランプの光で管の上方から観察するものでした。当然のごとく、苦痛も大きく、食道を突き破るなどの危険も伴い、普及するまでは至りませんでした。
第2期がいわゆる「胃カメラ」の時代で、柔軟自在な操作性を持ち、先端に小型カメラを装着した軟性鏡と変わり、内視鏡学が開花した時代でもありました。この胃カメラは、日本において1950年に開発され、この当時の苦労が小説化(吉村 昭著・「光る壁画」・新潮社)されていますので、読まれるのも面白いかも知れません。
第3期が、現在広く普及しており、消化管診断学に画期的進歩をもたらした胃ファイバースコープの登場です。ガラス繊維の中に光を通したとき、光は反射を続けながらどこまでも伝わります。これを利用して、ガラス繊維を数万本も束ねて軟性鏡としたのがファイバースコープです。胃カメラとの大きな違いは、胃の中のカメラで撮影するのではなく、胃の外まで(光の)像を導いてカメラで撮影する点です。従って、スコープ自体が細くなり、操作性も向上しました。
次に、ここ数年注目されているのが電子スコープです。
電子スコープは、スコープ先端部にCCD(超小型固体撮像素子)を組み込み、この上に光すなわち像を結び、これを電気信号に変換後、ケーブルを通し、モニターテレビ上に映像を作製し観察しようとするものです。
簡単に言うと、超小型コンピューターで胃の中を観察するとでも言うのでしょうか。確かに画像も優れており、多くの人の目で同時に観察でき、ビデオテープやコンピューターへの記録が可能など、従来のスコープに比べ良い面だけが目立っています。しかし、この電子スコープが、「胃カメラ」の第4期になるかどうかは、今少し時間の経過が必要かと考えています。「写す」時代から「覗く」時代へ、そして「デジタル」時代へ。胃カメラに対する新しい認識の助けになれば幸いです。



◆追記(平成9年11月) ◆
もちろん現在では、電子内視鏡は内視鏡専門施設のみならず、広く普及してきております。当クリニックでも、開院時よりオリンパス製ビデオスコープ(右写真)を上部(食道・胃・十二指腸)および下部(大腸)用スコープ両方とも導入しています。
電子スコープも改良を重ね、高解像と色再現性の向上で、さらに微細な病変の観察にも優れ、より細くなりました。どんな病気でも早期発見がベストです。
胃癌も早期発見で90%以上の確率で治癒が見られます。医学の進歩を利用しない手はありません、変だなー?と思う前に、そして症状のある方は嫌がらず、内視鏡検査を!お勧めします。




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