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南富良野までは往復1時間半ぐらいかかる。 出掛けに、なんの気になしに、マイルス・デイビスのCDを何枚か持った。 まず、「1969MILES」をかけた。 「このドラム、誰だ!ジャック・ディジョネットかっ!やっぱり、ジャック・ディジョネットって凄い!」とか「マイルスって、どうしてこんなにカッコイイんだろう」とか、独り言をいいながら、南富良野に向かった。 打ち合わせを終え、戻るときに、「1958MILES」に変えた。 行くときは国道を通ったが、帰りは、かなやま湖沿いの道にした。何回も書いているが、ここのロケーションは素晴らしい。ちょっと遠回りになるけれど、こちらを通りたくなる。 一曲目は「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」。マイルスのトランペット、テナーサックスのジョン・コルトレーン、アルトサックスのキャノンボールアダレイ、ピアノのビル・エヴァンス、もう、完璧。初めから、終わりまで、無駄な音が一切無く、ぎゅーっと詰まった感じ。 ふっと、「あれほど垢抜けているマイルスが、無骨とも思えるジョン・コルトレーンを最初からどうして認めたんだろう」と思った。(初期の頃のコルトレーンの演奏はそう感じる) マイルスはカッコイイ垢抜けた音楽を目指し、実際、最後までそれを貫いたと思う。最後のレコーディング「Doo Bop」のカッコイイこと! ややもすると、マイルスの繊細な音をぶち壊すようなコルトレーンの思い詰めた音。マイルスは自分では出来ない、コルトレーンの真面目なひたむきな音が好きだったのではないか。 マイルスとコルトレーンについては、時間のあるときに、もっとちゃんと考えないと駄目だね。 ただ、マイルスも、コルトレーンも、それぞれのやり方で、ジャズや人間が持っているエネルギー、爆発力みたいなものを表現しようとしたのではないかと、思っている。 コルトレーン晩年のフリージャズの演奏、そしてマイルスの「アガルタ」を聞くとそう思う。 |
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