■ 安藤寿康著「日本人の9割が知らない遺伝の真実」 by 富良野のオダジー 2023年11月17日(金)

  99,158 byte2023年10月18日のワイワイ日記に、この著者の本「能力はどのように遺伝するのか」を紹介した。
私としては両方面白く読んだが、1冊だけ読むなら、こちらの「日本人の9割が知らない遺伝の真実」がお勧めだ。
「能力はどのように遺伝するのか」はデータを駆使し、あまり著者の“感情”を出さないように、クールに書いている感じだったが、この本は安藤先生の思っていることをダイレクトに熱く語っているような気がする。
下記はオダジーが「そうか!」と思った文中からの抜粋部分を箇条書き風にしました(同じページの文)。
・IQは70%以上、学力は50〜60%くらいの遺伝率があります。
・学力の場合、さらに20〜30%程度、共有環境の影響が見られます。
・共有環境というのは家族メンバーを似させるように働く環境のことですから、大部分は家庭、特に親の提供する物質的・人的資源によって構成される。親が与える家庭環境も子どもはどうすることもできません。
・つまり、学力の70〜90%は、子ども自身にはどうしようもないところで決定されてしまっているのです。
・にもかかわらず、学校は子ども自身に向って「頑張りなさい」というメッセージを発信し、個人の力で何とかして学力を上げることが強いられているのです。
・これは、科学的に見て、極めて不条理な状況といえるのではないでしょうか?

後半に安藤先生は、上記を踏まえた上で、「あるべき教育の形」「遺伝を受け入れた社会」の提案をしています。
是非、読んで欲しい本です。
9歳の孫の母親(私の娘)に、この本が届くように、アマゾンに注文しました。
 


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