■ 「プレジデント・プレイズ・ウイズ・ジ・オスカー・ピーターソン」 by富良野のオダジー 2008年01月16日(水)

  40,569 byte今日、フォーラムフラノは定休日。別に、店がオープンしているからといって、私の仕事のペースは変わらないのだが、やはり、気分的にはリラックスする。朝から気持ちよく、朝食をとりながら「プレジデント・プレイズ・ウイズ・ジ・オスカー・ピーターソン」を聞いた。
プレジデントこと、テナー・サックスのレスター・ヤングが大好きだ。ちょっと古い人で、1930年代から1940年の中頃が絶頂期と言われている。ジャズの巨人。1959年に亡くなっている。
テナー・サックスと言えば、男らしい楽器の代表で、太くて、たくましい音がたまらない。私もテナー・サックスの父として知られるコールマン・ホーキンスやソニー・ロリンズのような豪快なテナーも好きだ。でも、レスター・ヤングの凄さは、みんながコールマン・ホーキンスのように吹こうとしていた時に、まったく違う音を出していた。繊細で、リリシズムがあり、洗練された音、今で言う、癒し系の音。
モダンジャズは1940年代にはじまり、1950年の終わりごろから1960年代の始めごろに絶頂を迎えると思っているが、レスター・ヤングはモダンジャズのサックスに多大な影響を与える。つまり、レスター・ヤングは1930年代から新しい感覚の音で演奏していたのだ。
私はアルト・サックスのアート・ペッパー経由で、レスター・ヤングに辿り着いた。おそらく、アート・ペッパーのリリシズムの“謎”を調べているうちに、レスター・ヤングに出会ったのだろう。
レスター・ヤングで一番好きなアルバムは「プレス・アンド・テディ」。もしレスター・ヤングを最初に買うのだったら、こちらの方が良いと思う。私のジャズベスト30ぐらいなら、この「プレス・アンド・テディ」は入ります。
「プレジデント・プレイズ・ウイズ・ジ・オスカー・ピーターソン」についてだが、このCDは最近買った。昔から知っていたのだが、ジャズの本で紹介される記事が、「絶頂期とは比較できない演奏」「往年の閃きがない演奏」など、散々なので二の足を踏んでいたが、買ってよかった。
いくら1930、40年代の演奏が絶頂期でも、レコードの録音技術や当時の演奏感覚がしっくりこない。現在の感覚で聞いても違和感がない録音は、1950年以降だと思う。この時期以降のジャズで、現在にも通用するか、しないかは、正に演奏の良し悪しで決まる。良い演奏だと、今も、これから先の時代でも聞き継がれていくと思う。
「プレジデント・プレイズ・ウイズ・ジ・オスカー・ピーターソン」の録音は1952年で、普通の感覚で聞けた。レスター・ヤングの演奏も、私にしたら「何か、文句ありますか?」という感じだ。
もちろん、批評している人がレスター・ヤングを敬愛しているがための酷評だとは知っているが・・・。
 


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