この夏は、夏休みもお盆休みもなく、ずっと働いている。でも、とても楽しい。忙しい理由は、昨年から開発を進めていた「ふらの石鹸(せっけん)」がやっと出来上がったからだ。富良野産の野菜や果実から抽出したエキスを配合した石鹸で、ブドウとニンジン、カボチャの三種類がある。今は「ふらの石鹸」の販売やPRに追われ、休んでいる暇がない。
私の会社はこれまでも富良野にこだわった“富良野発”の商品を作ってきた。今回の石鹸が今までとちょっと違うのは、北海道電力グループの研究所と共同で開発したことだ。うちのような地方の小さな会社と一緒に新製品の開発に取り組んでくれるなんて、相手方にとっては思い切った試みだろうなと思う。
私は北海道を活性化するためのこれからのキーワードは「組み合わせ」だと考えている。それは人と人だったり、会社と会社だったり、時には人と会社だったりするけれど、要は「さまざまな結びつきの可能性を探りながら、北海道の人間がみんなで力を合わせて頑張ろうよ」ということだ。
今後、北海道や富良野を取り巻く状況はまだまだ厳しくなると思う。でも、私は悲観してはいない。今回の石鹸のような新たなプロジェクトをみんなでいっぱい企画し、知恵を出し合えば良い。私のように五十歳を過ぎた人間がこんなことを言うのは気恥ずかしいが、これからも大きな夢を持っていろいろなことに挑戦したいと思っている。 |