「社長!フラニストに会いたいというお客さんが来てます。フラニスト物語の本も買ってくれました」。ナベちゃんが私を呼びに来た。だれだろう、今ごろフラニストに会いたいなんて。半信半疑で店に出た。
「サインして下さい。小田島さんでしょう。お願いします。」昔は結構こういう“ノリ”があった。昔とは20年位前のことで、テレビドラマ「北の国から」の放映があり、富良野に観光客が訪れはじめていた。
そのころ「フロム・ノースランド・ウィズ・ラブ」というミニコミ誌を作り、「フラニスト」という言葉もそこで生まれた。FURANOにIST(〜する人、〜主義者)をくっつけた造語で、富良野を愛する人達の総称として使っている。
「私は富良野の大ファンで、ホームページにフラニストのことが出ていて、是非とも会いたくて、福岡から来ました」とそのお客さん。「あっ、そうですか。いゃ〜、私も年取っちゃって、あのころのパワーはもうなくて…」と私。十年以上も前に自費出版した本を見つめながら、言い訳をしていた。
「これからも富良野のために頑張って下さい。」とあたたかい一言。そうなんだ、富良野を愛してくれる人達のためにも、言い訳なんかしないで、まだまだ頑張らなくては。 |