■ 「キューン/ラファロ1960」 by富良野のオダジー 2007年10月28日(日)

  33,486 byteスコット・ラファロ Scott Lafaro (1936-1961)

1936年4月3日アメリカ、ニュージャージー州生まれ。テナーサックス、クラリネットを吹き、高校卒業後ベースに転向。
1959年秋に、ビル・エヴァンス(ピアノ)・トリオ(ドラムはポール・モチアン)に加わる。
このピアノトリオがニューヨークのジャズクラブ“ヴィレッジ・ヴァンガード”で演奏したライブ盤「Waltz for Debby」「Sunday At The Village Vanguard」は歴史的名盤と言われる。ほかに「Portrait in Jazz」「Explorations」などの名盤を残す。
ビル・エヴァンスはマイルス・デイビス(トランペット)らによって提唱されたモード・ジャズの手法で、それまでにはなかった斬新な演奏を行った(エヴァンスもマイルスのグループに参加していた)。 また、3者が対等の関係でインタープレイを行う演奏スタイルは、それ以降のピアノトリオに絶大な影響を与えた。
スコット・ラファロはヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴのわずか11日後の61年7月6日、25歳の若さで、悲運にも事故死する。

まあ、以上が天才ベーシスト、スコット・ラファロについての簡単な説明だが、私がいつも不思議に思うのは、今から46年前、しかもわずか25歳で演奏した曲が、今現在聞いても素晴らしいし、全然古くない。もっと言えば、スコット・ラファロは、いまだに誰にも抜かれていない。
どうして、こんなことが起きちゃったのだろう。
ジャズは、1950年代後半から1960年代の中頃に、ギュウっと詰まっていると私は思っている。どうして、その時期に、才能あるミュージシャンが大勢アメリカに、いたのだろう。
今から半世紀前に、すごい才能を持った人たちが、必死になって作り上げたジャズは、人類の財産だ。神様は、たまに、こういう計らいをする。お陰で、私たちは何十年、何百年に渡って、その恩恵をこうむる。

写真は、「キューン/ラファロ1960」である。若き日のスティーヴ・キューン(ピアノ)が1960年、スコット・ラファロ、ドラムのピート・ラロカと「デモ」用に録音したもので、2005年に初めてCDとして、陽の目を見たものだ。
スコット・ラファロを調べていて、ぶつかったCDだが、私としては、ちょっと冒険だった。デモ用とは言っても、スタジオで録音されたようだし、やはり、数少ないスコット・ラファロを聞いてみたくて注文してしまった。
正解だった。音もいいし、ピアノトリオとしても悪くない。もちろん、スコット・ラファロは、相変わらず、「すごい!」の一言に尽きる。
こういうCDに出会うと、また、他のCDも欲しくなる。「もしかしたら・・・」と、想像に胸を膨らませて、色々なCDに思いをはせている、今日この頃です。
 


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