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昨日は、今年の三月に草田研次 パステル画展「光と天の色」をフォーラムフラノで開催した草田さんが友人の方と来てくれた。 草田さんは、いま富良野市生涯学習センターで個展を開催中(12月16日まで)だ。 実は、草田さんと私は、同時代(今から30年位前)に、今はなき新宿のジャズ喫茶「びざーる」で“ニアミス”をしている。びざーるは私が勤めていた新宿・三愛のすぐ近くにあり、昼食時間に食事を早めに済まし、コーヒーを飲みによく行っていた。 草田さんの友人の方も、びざーるを良く知っているジャズファンで、ついつい、DIGだ、DUGだ、木馬だ、ポニーだ、タローだ、サムライだ、と話が盛り上った。同じ時代、そして同じ文化圏に生きていた者同士は、すぐに打ち解けるものだ。調子に乗って、一時間ぐらい話してしまった。あぁ、楽しかった。 写真は、日本人ピアニスト・クリタ マコトの「My Music is Your Music」 だ。 クリタ マコトのことは、まったく知らなかった。今まで、ニアミスも、カスリもしなかった。では、何故、珍しく、日本人のCDを買ってしまったのか。 それは、考える高校生のためのサイト「マンモTV」にクリタ マコトのインタビューが載っていて、それを読んでいるうちに好感を持ったからだ。 このサイトは、私のお気に入りで、ちょくちょくお邪魔している。とにかく、登場する人たちが、かなりの確率でイイのだ。話がストレートで分かりやすく、面白いのは、高校生に焦点をしぼっているからだと思う。以前、三人の子供たち(大学生だが)にも、読むようにと、アドレスをメールした。 クリタ マコトである。早速、インターネットで辿ったら、「My Music is Your Music」の2曲目のオリジナル曲「Peninsula」のさわりが試聴できた。私好みの、ロマンチックなメロディが流れた。メンバーを見ると、ドラムに大坂昌彦とある。大坂昌彦は、私の友人である富良野出身のジャズヴァイビスト・浜田均が、何年か前に北海道でやったコンサートのメンバーとしてきた。その素晴らしいドラミングは、今でもはっきり憶えている。 だいぶ、傾いたが、ちょっと躊躇した。他にほしいピアノのCDは山ほどある。 クリタ マコトの“敵”は、ビル・エヴァンスだし、ハンク・ジョーンズだし、ウイントン・ケリーだし、フィニアス・ニューボーン・Jrだし、テテ・モントリューだし、ケニー・ドリューだし・・・。 結局、買ってしまった。結果は、OKだった。 クリタ マコトを聞いて思ったことは、最近のピアノトリオで人気のあるCDは、制作者が聞き手のことを良く分かって作っている感じがするが、クリタ マコトのCDは、クリタ マコト自身が聞き手のことを良く分かっていると感じた。意外とミュージシャンは、弾き手のこと(自分のこと)は分かっても、聞き手のことは分からないものなのだ(ちょっと、知ったかぶり)。 もちろん、それを嫌がる人はいると思うし、本来なら、自分勝手に演奏したものが、広く受け入れられるのが理想だと思うが、そんなことは滅多に起きない(たまに起きるから、ややっこしくなる)。 かと言ってクリタ マコトが聞き手に媚びている訳ではない。タイトルの「My Music is Your Music」というのを勝手に解釈すると、「あなたの好きな曲は、私も好きだ」になる。つまり、クリタ マコトは、弾き手と聞き手を両方いっぺんにやっているのだ。 まぁ、とにかく、聞いていて、気持ちがいいし、すがすがしくなるCDだ。 |
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