■ 中山康樹著「ジャズの名盤入門」 by富良野のオダジー 2007年12月01日(土)

  48,737 byte何かのハズミで、中山康樹著「ジャズの名盤入門」を買ってしまった。
写真のCDは、チャーリー・パーカー(as)、ディジー・ガレスピー(tp)、バド・パウエル(p)、チャールス・ミンガス(b)、マックス・ローチ(dr)という、ジャズの歴史に名を刻んだ大巨匠5人が一堂に会したステージを録音した、正に、これこそ歴史的名盤「ジャズ・アット・マッセイ・ホール」
ジャズの名盤入門で、最初に紹介している一枚だ。
この本の帯には「この50枚にはジャズの魅力が詰まっている!」とある。つまり、50枚の名盤を紹介している。数えてみると、私はレコード、CD合わせて38枚持っていた。持っていない12枚のうち、3枚以外は、今すぐにでも欲しい。まだ、はじめの部分しか読んでいないので、今は欲しいと思わない3枚も、紹介文を読むと欲しくなるかもしれない。
私は昔から、プロが推薦するものを“鵜呑み”にする傾向がある。だいたい、そういう性格じゃないと、こういう本自体も買わないと思う。
ジャズのアルバムだって、何万枚、何十万枚、いやもっと多くの枚数が出ているかもしれない、そのうち自分が聞けるのは、ほんのわずかだ。
まずは、推薦盤を聞いてみて、その中で良いと思ったものから、広げていく。それは、ミュージシャンだったり、楽器だったり、音楽の傾向だったりする。
まあ、鵜呑みというより、キッカケだな。私の経験上、ジャズに限らず、無闇矢鱈に突き進むより、とりあえずプロの先生が言っていることを聞いてみるほうが、良い結果の確率が高い。映画だって、評判のいい映画の方が、やっぱり面白い確率が高い。ただ、もちろん、「なんで、これが?」というものもある。その時は、「なんで」の理由を探るのも、私のひとつの楽しみではある。
そうだ、キッカケも大事だが、やっぱり“縁”かな。そうだ、縁だ。テナーサックスのジョン・コルトレーンを好きになったのは、音楽そのものと言うより、縁だ。人との出会いも縁だけど、音楽やアートも縁がなければ、違うところに連れて行かれる。
ジョン・コルトレーンを考えると、縁としか言いようがない。それこそ、ジャズの中でも難解の部類に入るコルトレーンから、私はジャズに入った。
コルトレーンを初めて聞いたとき、ピピッと来た。ということではなかった。別に劇的でも、運命的でもなかった。
実は、私がジャズを聞き始めた1970年代の中頃は、ジャズ喫茶に2時間いれば、一回はコルトレーンがかかった。だいたいレコードの片面は約20分だから、2時間でLPレコード5、6種類聞けた。コルトレーンは、特徴があるので、聞き始めの私にもコルトレーンだとすぐ分かる。この“分かる”が結構重要で、ジャズ喫茶に行って、「あっ、コルトレーンのマイ・フェイヴァリット・シングスだ」と分かるとうれしくて、「オレって、けっこうジャズ通かも」と、ちょっと優越感に浸ったものだ。
最初の縁がコルトレーンで本当に良かったと思う。偶然にも、「分かる」だけの不純な動機で聞き出したコルトレーンが、ジャズ界でもワン・アンド・オンリーのとてつもないミュージシャンだったのだから。
コルトレーンから入っていなければ、果たして今までずっとジャズファンとして、ジャズを聞き続けたかは疑問である。コルトレーンは、ジャズとか、音楽とかを超えて、私に影響を与えた。
「ジャズの名盤入門」である。冒頭の文章で、すでに私が「そうだ!」と思うことを書いている。
「音楽は個人的な好みではない」「好き嫌いは耳のレヴェルに起因する」「オリジナル収録曲に追加曲を入れてCD化するのは名盤に対する破壊行為」
これから、全部読むのが楽しみだ。
 


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