電話でのお問い合わせはTEL.0167-39-1133

〒076-0018 北海道富良野市弥生町6番31号

糖尿病教室Diabetes class


【運動療法】

●運動をするためには、エネルギーが必要です。つまり筋肉を働かせるための燃料として、血液中のブドウ糖(血糖)が必要となるのです。したがって、運動すると、血液中の余ったブドウ糖が筋肉の細胞内に取り込まれて、この結果血糖値の下降をきたすのです。糖尿病の運動療法の基本的なことはここにあります。

★運動療法の効果とは?
 ブドウ糖が筋肉などの細胞の膜を通過して、細胞の中に入るためには、ある種のタンパク質(GLUT4が必要です。健常者では、食事によって血糖値が上がると、それに見合ったインスリンが膵臓から分泌されます。このインスリンが、細胞にあるインスリン受容体と結合すると、ブドウ糖を細胞内に取り込む命令が出されます。この命令を受けて、細胞内部にあるGLUT4が細胞の表面に出てきて、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込んでいるのです(下図)。しかし、糖尿病の状態では、インスリンの働きが悪いため、インスリン受容体を介した命令がうまく伝わらず、このGLUT4が細胞の表面に出てこられません。しかし、運動をすると筋肉の収縮そのものが刺激となって、インスリンの働きが多少悪くても(インスリン受容体からの命令を介さずとも)、細胞の表面に出てくるGLUT4の数が増えてきます。また、運動を続けるうちに、細胞の中にあるGLUT4の総量も増えてきますので、血糖の取り込みが多くなるわけです。
 

 ★どのような運動をどのくらい?
運動の種類は、動的で全身を使う有酸素運動(早足、ジョギング、水泳、サイクリングなど)~糖尿病の運動療法の主な目的は、低下しているインスリンの効き目を良くすることにあります。運動によりインスリンの働きが良くなる部位は、運動した部分の筋肉に限られます。したがって、できるだけ多くの部位を動かすような全身運動がお勧めです。しかも、ブドウ糖を燃料としてエネルギーに変え、同時に脂肪まで燃やそうとしたら、十分酸素が必要です。酸素をあまり吸い込まない短距離走や瞬発的な動きではなく、ゆっくりと酸素を吸い込みながら全身を使うジョギングや歩行、水泳などが良いでしょう。
●運動量は、1日平均150キロカロリー(1週間あたり1050キロカロリー)を目標に! 
・歩行(4km/時間):40〜50分
・自転車(平地):20〜30分
・軽いジョギング:20分
・ランニング(8km/時間):15分
・歩くスキー:20分
・テニス:20分
・なわとび:10分
・水泳(普通・全般):15分 
 
 
★運動療法の注意点
(1)血糖値は食後1時間から1時間半位でピークに達します。食後1時間くらいに運動を開始すると、高くなる血糖を抑えられます。
(2)糖に対する運動療法の効果は、およそ48時間位持続するといわれています。1日おき、あるいは週3回などから始めてみるのも良いでしょう(週3回以上、運動しない日が2日間以上続かないようにすることがベスト)。
(3)血糖コントロールが極端に悪い場合(血糖250mg/dl以上または尿中ケトン体が陽性のとき)、高血圧(最高血圧180mmHg以上)、眼底出血がある場合、腎臓機能の低下がある場合など、運動により急性の合併症を起こすことがあり、運動療法を禁止したり制限した方がよい場合があります。運動療法開始前には、主治医と良く相談することが大切です。
TopBackNext

医療法人社団内海内科クリニック
Utsumi Internal Medicine Clinic
内海内科クリニック

〒076-0018
北海道富良野市弥生町6番31号
TEL 0167-39-1133
FAX 0167-23-6672